経済

栽培期短縮の新紅イモ 農研機構が開発 ゾウムシ被害の軽減期待

 農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター糸満駐在の岡田吉弘上級研究員は、従来品種より2カ月程度短い3~4カ月で実が肥大し収穫できる新しい紅イモ「PI-072」を開発した。紅イモは植え付け後3カ月程度から、ウチナーグチで「イリムサー」と呼ばれるゾウムシ類の被害が出るようになるが、早期収穫ができるようになることで被害の軽減が期待できる。3年後の品種登録を目指し試験を行っている。

 「PI-072」は関東地域を中心に栽培されているパープルスイートロードと、インドネシアの在来種を掛け合わせてできた。栽培試験では、苗の植え付け後3カ月で平均153・2グラム(15年度から2年間の平均)まで実が成長する。

 県内で最も栽培されている品種「美ら恋紅」の3カ月平均96・7グラムに比べて1・6倍の成長の早さで、美ら恋紅を5~6カ月栽培したのと同程度まで肥大することが確認された。

 収穫時のゾウムシ被害率(無農薬栽培時)はPI-072(栽培3カ月)が1・47%に対し、美ら恋紅(栽培5カ月)は40・0%だった。岡田氏は「早期に収穫することで、ゾウムシ被害を大幅に低減できる」と意義を語る。

 紅イモは観光土産品の材料や、香港など海外輸出の伸びを背景に加工品の需要増加が続いている。従来は紅イモの収穫がない3~7月に品不足となる傾向があったが、新品種ができれば紅イモの生産性が向上し、1年を通した出荷ができる可能性もあるという。岡田氏は「ゾウムシの根絶はハードルが高く、被害を軽減する策として新系統は力を発揮すると思う。早期の品種登録を目指したい」と語った。(知念征尚)



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