両親、恩師「よくやった」 世界体操代表選出の安里、沖縄で喜びの声続々


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 体操世界選手権の跳馬の日本代表に安里圭亮(興南高-福岡大出、相好体操クラブ)が決まった。今年6月の全日本種目別選手権の跳馬予選で五輪経験者を抑えて1位となり、代表候補に名を連ねてから3カ月。一日千秋の思いで吉報を待っていた両親や恩師、沖縄県関係者から次々と喜びの声が上がった。

 父辰己さん(59)は「周りにうまい選手がいっぱいいる中で、まさか選ばれるとは。代表候補に挙がっただけで喜んでいたが。本人にはよくやったと伝えたい」と語り、驚きと喜びで胸をいっぱいにしていた。

 母孝子さん(55)は「本番は一発勝負。練習通り臨めば代表をつかめる」と信じ、試技会に臨む前に「平常心で頑張ってきてください」と無料通信アプリ「LINE」でエールを送った。孝子さんは「今まで体操を続けてきていろいろあったが、みなさんのおかげでつかんだチャンスだ。感謝して、最後までけがなく世界選手権に臨んでほしい」と思いを込めた。

 興南高校時代に安里を指導し、現在は県体操協会会長を務める知念義雄さん(75)は電話で本人に代表入りを確認。「うれしそうだったなあ」と安里の努力が報われたことに安心したようだった。「興南高校体操競技の歴史の中でも、団体の1番手として信頼度が高かった」とその実力に太鼓判を押す教え子が世界に挑む。「大学時代のけがを乗り越え、日本代表という分厚い選手層の中に選ばれるというわずかなチャンスをつかんだ」と諦めずに鍛錬し続けた成果を喜んだ。

 沖縄県体操協会の宮城栄一郎理事長(42)は安里が大けがから地道なトレーニングで立ち直った経緯もよく知る。「この後も頑張ってもらい、東京五輪に選ばれるような選手になってほしい」とエールを送った。

 若手の育成に尽力する県高体連の仲里正和・体操専門委員長は「選ばれたことは後輩たちにとってもすごい励みになる」と語る。内村航平や白井健三の活躍で全国的に体操競技人口が増えつつある中、安里の活躍で「県内でも競技者が増えてほしい」と期待した。