児童、ジャズに挑戦 プロが演奏、指導


この記事を書いた人 琉球新報社

 那覇市の若狭公民館地区の児童らを対象にしたジャズ楽団「ジュニアジャズオーケストラ那覇ウエスト」の2017年度の活動が始まった。2日、児童らを指導するプロのジャズ講師によるコンサートと楽器体験が行われた。プロが奏でる軽快なジャズのリズムに、会場に訪れた子どもたちは体を揺らしながら楽しんでいた。

プロの講師の指導でサックスを吹く児童=2日、那覇市松山の津波避難ビル

 事業は、県と県文化振興会の沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業の一環。琉球フィルハーモニックが那覇市の若狭、天妃、那覇、泊、曙の5小学校区の小1~6年の児童を対象に、市松山の津波避難ビルで実施する。16年度には30人の児童が参加し、2月に県のイベントで演奏を披露した。

 2日の講師らによるコンサートでは「シング・シング・シング」などジャズの名曲や、ジャズ風にアレンジされた「安里屋ゆんた」など5曲が披露された。演奏後には、サックス、トランペット、トロンボーン、エレキベース、ピアノ、ドラムの楽器ごとに演奏体験が行われた。楽器に触れた児童らは、楽団で演奏したい楽器を決めていた。

 楽団に初参加する那覇小3年の白石葉凪(はな)さんは、ピアノ演奏を希望。「聖者の行進を弾いてみたい」とはにかみながら答えた。

 昨年ベースを担当した天妃小3年の上山巧君は講師の演奏に体を揺らしていた。「ベースの低い音が好き。今年は難しい演奏にも挑戦したい」と目を輝かせた。

ジャズの演奏を披露するプロの講師ら

 中学進級で楽団を卒業した那覇中1年の小山和子さんは、楽団で初めて吹いたサックスを中学でも続けている。「楽器を吹くのは楽しいし、合奏できれいな音が出るとうれしい」と笑顔。今後はボランティアの指導員「フェロー」として楽団の後輩たちに演奏を教えていく予定だ。

 琉球フィルハーモニックの上原正弘代表理事は「週に2回、ここに来ると楽器が演奏できる場所として広がればいいと思う。今年は地域の祭りでも演奏していきたい」と意気込んだ。

 楽団では、楽器指導ボランティアと使用する楽器の寄付も募集している。ジュニアジャズオーケストラへの問い合わせは、琉球フィルハーモニック事務局(電話)080(6483)2716。