ハンプで児童安全確保 浦添・港川小、通学路に設置し検証へ


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通行車両に減速を促すハンプ。年内に同様のハンプが港川小の通学路に設置される=浦添市の仲西小前

 【浦添】浦添市立港川小学校の通学路に横断歩道とハンプ(高さ約10センチの凸型構造物)が設置される。通学路の安全などについて研究する国際交通安全学会が浦城公園前の市道に約100万円かけて整備する。同校の通学路は国道58号に抜ける車などがスピードを出す傾向があり、安全確保が課題になっていた。実証実験の一環として導入効果を検証する計画だ。

 設置するのは幅約5メートルの横断歩道と、その両端に幅約2メートルのハンプ。高さ約10センチのハンプの上を時速30キロ以上で走行すると、運転手が下からの不快な揺れを感じることから、2回目以降の通行では速度を落とす効果が期待できるという。

 浦添市は2016年8月、児童生徒が安全に通学できるよう「浦添市通学安全プログラム」を策定した。関係機関と連携して通学路の安全確保を図る同プログラムの策定をきっかけに、沖縄総合事務局が浦添市内の通学路の安全を確保しようと昨年12月から港川小、牧港小の両校で地域住民や関係機関の担当者らによる通学路ワークショップを開催してきた。

港川小通学路ワークショップで、児童らの安全を確保するため意見を出し合う参加者ら=8月30日、浦添市の港川小

 8月30日には港川小で「第3回港川小学校通学路ワークショップ」が開催され、学校や自治会、浦添市役所の関係者らが3班に分かれて通学路の安全について議論した。同校の通学路の交通状況について「車がスピードを出し過ぎる」「減速を促す物がない」などの意見が上がった。

 こうした意見を踏まえ、年内にハンプが設置される予定。既に市内では仲西小学校の通学路に設置されており、通行車両が手前で減速するなどの効果も出ているとして児童らの安全確保への期待は高い。港川小の銘苅健校長は「(ハンプの設置場所は)児童、運転手の双方にとって事故の危険性が高い場所だった。ハンプがあれば運転手は減速の目安ができ、児童にとって安心感が増す」と話した。

 通学路や生活道路の安全確保のため、運転手に注意深い運転を促す方法を模索してきた国際交通安全学会の久保田尚埼玉大学大学院教授(都市交通計画)は「ハンプの設置で運転手に速度を落としてもらい、通学路で絶対に事故が起きないようにしたい」と強調した。