カンター棒で厄払い 石垣・新川「獅子祭り」 40年ぶり登場


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躍動した舞が披露された南風ぬ島カンター棒=5日、石垣市新川

 【石垣】旧盆の送り日に新築の住宅の厄払いをし、無病息災を祈る石垣市新川字会の獅子祭りが5日、石垣市新川の上唐利夫さん(77)宅で行われた。獅子祭りでは約40年ぶりに、石垣市無形民俗文化財に指定されている南風ぬ島カンター棒が披露された。

 太鼓や笛のはやしに合わせて、赤い髪をかぶった男性らが足や手を大きく上げながら棒を操る躍動的な舞を披露。演舞の途中から獅子舞が加わり、集まった見物客を盛り上げた。

 カンター棒の後には獅子の頭を床の間に備え、無病息災を願った。

 新川字会の入嵩西純会長は「イベントなどでは披露されているが、個人の家でカンター棒をするのは記憶にない。カンター棒継承のため、新築の家の了解を得られるならば毎年継続していきたい」と話した。

 上唐さんは「特別な形で邪気を払ってもらえて、カリー(福)が付いた」と笑顔で語った。