夜間・早朝の騒音悪化 嘉手納周辺 月145回 航空機調査


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 沖縄県環境部は米軍嘉手納基地と普天間飛行場の2016年度航空機騒音測定結果をまとめ、8日公表した。日米両政府の騒音防止協定で飛行が制限される午後10時~午前6時の月平均騒音発生は36測定局中、32局で前年より増加した。月平均回数は嘉手納周辺の屋良B局の145・1回が最多で、前年度の135回から増えた。普天間周辺では大山局の28・5回が最も多かった。周辺住民の生活に最も支障を来す夜間・早朝の騒音被害が前年より拡大している実態が浮き彫りとなった。

 騒音指標Lden(エルデン、時間帯補正等価騒音レベル)での評価では嘉手納周辺の19測定局中6局で環境基準を超過した。屋良B局で69デシベル(基準値57デシベル)、砂辺局で67デシベル(同62デシベル)だった。普天間周辺では13局中、上大謝名局で62デシベル(同57デシベル)となった。

 県の担当者は夜間の騒音発生回数増加の原因の一つに、嘉手納飛行場の旧海軍駐機場を外来機が使用していることが関係しているとの見解を示した。その上で「県は約30年間にわたり毎年、米軍へ航空機の騒音軽減を要請しているが、事態は一向に変わっていない。周辺住民のためにも日米合同委員会での取り決めを履行してほしい」と訴えた。