21世紀ビジョン達成率46% 前期5年、待機児童改善など未達


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 沖縄県が2012年に決定した「沖縄21世紀ビジョン実施計画(前期)」で掲げた466ある成果指標のうち、前期最終年度である16年度末までに目標値を達成できたのは46・6%(217指標)にとどまることが分かった。待機児童数の改善などは目標を達成できなかった。計画策定時の基準値よりも「前進」した指標は77・9%(363指標)だった一方、泡盛の出荷数量など「後退」した指標も14・4%(67指標)あった。8日に県庁で開かれた、県幹部らで構成する県振興推進委員会で報告された。

 県は実施計画を検証手法「PDCA(計画→実施→検証→改善)」で毎年チェック。今回は5年目のPDCA実施となる。達成できたものは、海外留学・交流派遣数(累計)で目標の1494人を上回る1692人を派遣。新規就農者数(累計)も目標の1500人を上回る1764人となった。景観・親水性に配慮した海岸整備の延長や、認知症サポーター養成数、小中一貫教育導入校数なども目標を達成した。

 一方、保育所の潜在的待機児童数や全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)平均正答率などは「前進」したものの、達成率は20%以下にとどまった。泡盛の出荷数量や民生委員・児童委員の充足率などは、5年前の基準値よりも「後退」した。

 県は「後退」した67指標の施策を分析。泡盛の出荷数量など51の指標については取り組みの強化を図る。他方で、目標の設定当時と比べ環境や実態が変わっている施策など16の指標は、成果指標自体の見直し・検討をする。

 県振興推進委員会では翁長雄志知事が「いまだ成果が現れていない指標については要因を分析し、取り組みの充実強化により効果的に推進してもらいたい」と指示した。県は前期の実施計画の検証結果を踏まえ、後期5年間の実施計画を策定中。10月末をめどに決定する予定。