少雨、サトウキビに影響 沖縄県内離島、水不足で枯れ始める


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 【南部】南北大東島や粟国島、久米島などの離島では、7月以降まとまった雨が降らず、サトウキビが枯れ始めるなどの影響が出ている。海水淡水化施設がある粟国と南北大東では、生活用水は確保できているが、農業用水は雨水が頼りだ。島の農業用貯水池の水量は、粟国村では約半分に、北大東村では場所によっては3分の1までに落ち込んでおり、農業用水の確保に役場や農家は頭を抱えている。

 8月の降水量は、粟国では平均130ミリを超えていたが、今年は34・5ミリだった。平均118・5ミリの北大東にいたっては、今年は23・5ミリで5分の1に減った。

 粟国村では8月から、製糖工場の職員がトラックに水タンクを積み、畑へのかん水を続けている。村製糖工場の久保伸一工場長(48)は「ロール現象を通り越し、枯れ始めている。現時点で畑の2割に被害が出ており、今後も降らなければ大打撃だ」と指摘する。

 北大東村では、8月12日に役場やJA、農家、製糖工場などでつくる北大東村さとうきび糖業振興会が雨乞いをしたが、その後もまとまった雨は降っていない。南大東村と久米島町でも、農家がトラックでかん水するなど対策に追われている。