Q.男子の胸、大きくなっていく?
今日の質問は、僕は身体全体がぽっちゃりしているんですが、このごろ胸が特に出てきて、友達がふざけてたたくと痛いです。心臓の病気かと心配だったのですが、先週の説明で安心しました。でも、このまま胸がどんどん大きくなったらどうしようと心配です。 です。中学2年生からです。
A.思春期終わるまでに元に戻る
あなたのように心臓の病気だろうか?って心配する男子の相談にはよくのっています。痛いのは身体からのSOSって分かってくれていたのはうれしいです。
思春期の身体の変化は人によっていつ始まるか、いつ終わるか、違いが大きいのですが、だいたいの平均で男子は20歳くらいまで、女子は18歳くらいまで続くといわれています。だから思春期が終わるまでにはホルモンのバランスも整って、胸の膨らみも元に戻ります。それから、男性ホルモンは皮下脂肪で女性ホルモンに変わります。ぽっちゃりしているとのことなので、今はその影響もあるかもしれません。
身体の元は同じということで、精巣も元は女子の卵巣と同じようにおなかの中にありました。でも男子が生まれてくる直前に下がっていんのうの中に出てきます。精巣は体温より2、3度低いとよく働くから、涼しい環境にするためです。
いんのうにはシワがありますね。色んな場面でシワを観察してみましょう。高い熱が出たとき、いんのうはシワを伸ばして熱の出ている身体から精巣を離し、涼しくしようとします。寒いときにはシワを縮めて精巣を身体にくっつけて温めようとします。いんのうはシワを自動調節して精巣の温度を一定に保つ素晴らしい袋なんです。
でも、ピチッとしたズボンを履いたまま寝てしまうと、精巣が身体にくっついて温まりやすいです。精巣で作られている成長に関わるホルモンは、夜ぐっすり寝ているときに1番多く出ます。夜は精巣を涼しく保つために、ゆったりとした格好に着替えてから寝てくださいね。
徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。
心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。
新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。