踊り、映像、新感覚で融合 30日、enra「VOYAGER」沖縄公演


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宇宙旅行をテーマにしたenraのパフォーマンス=7日、東京都の世田谷パブリックシアター

 【東京】多彩な踊りと神秘的な映像、迫力の音楽を融合させた新感覚パフォーマーグループ「enra(エンラ)」は7日、東京都の世田谷パブリックシアターでメディア鑑賞会を催した。新作「VOYAGER(ボイジャー)」を8日から公開するのを前に開いた。公演は東京の後、北海道を経て30日午後6時半から沖縄市民会館大ホールで、初の沖縄公演(琉球新報社主催、沖縄ファミリーマート協賛)を開催する。

 映像クリエーターの花房伸行と8人の個性的なパフォーマーでつくるenraは2012年に結成した。メンバーはマーシャルアーツ(武術)、新体操、バレエ、アニメーションダンス、ジャグリングなど、多彩な専門分野の出身者。全米武術チャンピオン、ジャグリング世界チャンピオンを擁する。それぞれの分野の個性を生かし映像と踊りのシンクロを極めようと、独自の表現を繰り広げている。

 代表作「pleiades」はユーチューブの再生回数が800万回を超える。そこから人気に火が付き、世界から出演依頼が殺到、5年間で29カ国を回り、公演を成功させてきた。

 「ボイジャー」は宇宙旅行がテーマだ。これまでは5分ほどの作品を組み合わせた舞台だったが、今回初めて統一した物語に仕立てた。音楽監督はミュージシャンで俳優の金子ノブアキ。「最高の旅にお連れする」とのコメントを寄せている。

 作品は宇宙の映像と体に響く音楽、それらと溶け合った演技者の踊りが、壮大な宇宙や星の美しさ、生命の躍動感を表現している。観客の体を包み込むような幻想的な演出は見る側の感性を刺激し、胸に迫ってくる。

 ぴったり一致する、映像と踊りの動きに驚かされる。その仕組みは映像が踊りに合わせているのではなく、映像に合わせている。演技中の映像は演技者の視界に入っていない。長期の練習を重ねて達成した優れた技だ。

 主人公的役割を演じる和多谷沙耶は「大事な人に会う旅だという思いを込めて踊る。地球の誕生や生物が進化していく時代から物語は始まる」と、見どころを語った。横山真希ら出演者は「舞台を重ねるたびに演技・演出も進化している。沖縄の皆さまには必ず楽しんでいただける」と自信を込めた。(新垣毅)

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 入場料は全席指定の前売り4500円、当日5000円。問い合わせは琉球新報社営業局(電話)098(865)5200。