時間外受診を控え、医療守って 救急医・バイオリニストの林さんが講話


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バイオリンを演奏する救急医でバイオリニストの林峰栄さん=12日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 第87期新報女性サロン(琉球新報主催)の第3回講座が12日、沖縄県那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで開かれ、救急医でバイオリニストの林峰栄(ほうえい)さんが沖縄の救急医療について、バイオリンの演奏を交えながら講演した。林さんは沖縄戦で建物や医師を失った沖縄が、ハワイ大学の協力を得て、日本で初となる軽症から重症の患者の処置をするER型の救急医療を導入した経緯を説明した。

 2014年の全国の時間外受診者は全体の3・5%であるのに対し、県内では8%である現状について触れ「いつでも受け入れ可能という県内救急医療の土壌が、時間外受診を助長したのではないか」と指摘した。

 林さんは時間外での受診が医師の長時間労働に直結すると語り「不要不急の時間外受診を控えることが、医療を守ることにつながる」と切に訴えた。

 救急医でありバイオリニストとして活躍する林さんは講演の内容に絡め、葉加瀬太郎さん作曲の「情熱大陸」など全7曲を演奏し、会場を魅了した。