沖縄市立高原小学校(武冨誠校長)6年担任の宮里典子教諭が11日、「記事の見出し付け」の校内研修授業を実施した。総合的な学習の時間を使い、児童たちが平和学習の成果をまとめた新聞から記事1点を取り上げ、35人が記事を読みたくなる見出しを考えた。
同校は日本新聞協会によるNIE(教育に新聞を)実践指定校。
授業の最初に、選ばれた島啓達君の記事を本人が読み上げた。記事は、終戦直後の学校の様子を伝えるもので、青空教室で学んでいた、給食はなく、弁当を持ってこられない子も多かった、戦地で多くの大人が亡くなったため、放課後は畑や土木作業などで子どもたちが働いていた-と言う内容を書いた。
宮里教諭は見出しを付ける技術として、体言(名詞)で終わることや、かぎかっこや記号(…、!)を使うと効果的だと教えた。子どもたちはワークシートに記事から5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を書き出し、内容をまとめた。まず一人一人で見出しを付けると、注目する点が青空教室、食糧不足、労働力不足など、違いが出た。
八つのグループであらためて話し合い、用紙に見出しと理由・工夫を書き出し、発表した。「労働力不足つらい日々…」と付けたグループは「今と違って昔は子どもが働いていた」と説明。「暑い暑い青空教室!」と付けた班は「暑い日や雨が降った日が大変そう」と述べた。
最後に島君がどの見出しを選ぶか問われ、選びきれずに悩んでいた。
山下蘭さんは「最初は難しかったが、見出しを付ける授業は3回目なので、工夫もして、慣れてきた」と自信を見せた。指導助言にあたった松田美奈子NIEアドバイザー(美東中教諭)は「さまざまな工夫がある授業だった。子どもの目線だけでなく、記者、読者などの目線を意識させると、より深まりが出る」と講評した。
狙い
平和学習のまとめとして、調べてきたことや自分の考えを伝えるため効果的な見出しを付ける。5W1Hを根拠に内容の要約ができるようになる。グループごとに制作した平和新聞で活用する。
進め方
1.見出しのポイントを確認
見出しを付ける元の記事を読む。(1)読みたくなるような表現(2)内容が一目で分かる(3)できる限り10~13文字に収める-を確認する。
2.記事の5W1Hを読み解く
ワークシートに記事の5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうした)を書き出す。それを元に内容を簡単にまとめ、記事で1番伝えたいことは何かを考える。
3.グループで見出しを付けて発表
4~5人のグループで話し合い、見出しを決める。見出しの理由、工夫した所も確認し、発表する。
実践者の一言
事前に子どもたちが書いた記事からいいものを選び、見出しを付ける記事として準備した。内容が盛りだくさんだと子どもたちは理解できないので、目当てを限定し、しぼることが大事だ。子どもが活動できるように、5W1Hで聞き落としがないように、ワークシートを工夫した。自分たちの書いた記事を元にするのは厳しい面もあるが、それぞれに見合った活動をしていた。
学習指導案
ワークシート