高校野球の第67回県秋季大会の第4日は17日、北谷公園野球場などで1回戦6試合を行い、創部1年目の沖縄カトリックが、昨年夏に甲子園に出場した嘉手納を3-2で振り切り、公式戦初勝利を飾った。第3シードの沖縄工業は延長十三回の末に3-2で八重山に競り勝った。八重山商工は4-2で陽明に勝ち、宮古総合実業は5-0で浦添工業に完勝。知念は5-0で球陽に快勝し、那覇は辺土名を32-0の五回コールドで下した。
◇接戦制し次戦へ照準 沖縄カトリック
ことし4月に野球部を設立し、登録メンバー12人が全て1年生の沖縄カトリックが嘉手納を3―2で下し、公式戦初勝利を手にした。整列し校歌を歌う場面でも、喜びを隠せないナイン。グラウンドに流れる校歌に、1976年の甲子園で豊見城高野球部の主将としてベスト8入りを経験した岸本幸彦監督でも「思わず身震いした」と話す。格上と見ていた嘉手納に競り勝った試合に、驚きながらも終始笑顔だった。
1点を争う試合は劇的な幕切れだった。九回2死一塁の場面で嘉手納の4番・又吉李樹が左翼手の新垣優空の頭を越える二塁打を放った。一気に本塁を狙う一塁走者。沖縄カトリックは新垣―遊撃手・久松優介―捕手・崎浜隆平とつなぎ、本塁で走者を刺した。崎浜は「ショートにボールが来た時に絶対に止められると思った」と興奮気味に振り返った。
攻撃は序盤にリズムをつかんだ。二回1死一、三塁で打席が回った新垣。何度もベンチを見る新垣に岸本監督は「打て」と指示を出し、期待に応え左前打で先制した。この回さらに1点を加え、五回にも追加点を挙げ、主導権を握った。
初先発した金城来南はカーブとフォークを外角低めに集めることを意識。強力な嘉手納打線を2得点に抑えた。「漫画みたいな幕切れだった」という岸本監督。まだまだ続く戦いに「気持ちを引き締めて、また勉強させてもらいます」と視線は既に次戦へ向いていた。(屋嘉部長将)
◇きのうの結果
▽1回戦
八重山商工 4―2 陽明
宮古総実 5―0 浦添工
沖縄工 3―2(延長十三回) 八重山
沖縄カトリック 3―2 嘉手納
那覇 32―0(五回コールド) 辺土名
知念 5―0 球陽
◇18日の試合
【北谷】9時
▽1回戦
那覇西―名護
真和志―名護商工
宜野座―沖水
【嘉手納】9時
▽1回戦
美来工科―南部工
向陽―普天間
▽2回戦
石川―宮古