62歳チョンダラー躍動 新城さん 貫禄の舞 全島エイサーまつり


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軽快な動きで会場を盛り上げる新城精二さん

 第62回沖縄全島エイサーまつりでひときわ注目を集めたのは、62歳のチョンダラーだ。沖縄市久保田の新城精二さんはエイサー歴39年。前身の比嘉青年会の初代会長で、今は自治会長を務める。20代の頃から小学校のエイサー指導も続ける“エイサー先生”だ。「幼い頃から知る若者たちと踊ることができ、感無量だった」と笑顔で語った。

 「(演舞は)2、3年前から死にそうだよ。はっはっは」と笑う。その言葉とは裏腹に、本番ではしなやかで軽やかな踊りで後輩たちを率いた。開始と同時に、演舞場の端から中央まで走って入場。最後の「唐船ドーイ」では若者に負けないほど高く飛び跳ねていた。終了後は青年会や子どもたちから「先生、お疲れさまでした」と声を掛けられ、顔をほころばせた。

 沖縄戦の混乱で途絶えていた比嘉青年会を1978年、23歳だった新城さんらが復活させた。その後、久保田青年会に名称が変わった。今では別の地域からも「久保田で踊りたい」と、人気の青年会だ。

 新城さんは「昔はみんな、ワルだったからね。今はいい子たちばかりで、何十年も続けてくれてうれしい」と目を細めた。「他の人と何かを成し遂げる機会は子どもたちにとって貴重だ。みんなで一生懸命汗を流してほしい」と期待を込めた。(明真南斗)