沖縄県議会運営に注文 事務局が傍聴者に初調査 〝答弁分かりにくい〟〝やじ見苦しい〟 「開かれた議会目指す」


この記事を書いた人 大森 茂夫

 「知事や部長の答弁が分かりにくい」「県議のやじが見苦しい」。沖縄県議会事務局が6月定例会で議会傍聴者に実施したアンケートから県当局と県議の双方に対し、厳しい意見が上がっている。県民の負託に応えるため、県当局と県議との議論のさらなる質向上が求められていると言えそうだ。

 開かれた議会運営の実現を目的に、県議会事務局がことしの6月定例会に初めてアンケートを実施した。本会議と委員会の傍聴者計153人のうち87人が回答した。回答率は56・9%だった。

 「知事・部長らの答弁は分かりやすかったか」の問いに「分かりやすかった」との回答は52・9%(46人)、「分かりにくかった」は32・2%(28人)、「無回答」は14・9%(13人)だった。県当局は県議の質問に対し、想定問答を作成しているが、3割超の傍聴者には分かりにくいと受け止められている。

 「県議会に期待することは何か」(複数回答)の問いに対し、最も多かった回答は「県民の多様な意見を行政に反映させること」(57人)だった。次いで「行政が正しく行われているかチェックすること」(53人)、「県民生活に必要な政策や条例を提案すること」(26人)だった。

 自由記述の欄では「議員の質問に感情的、我田引水的な面があった」「やじが見苦しい。どう喝しているような議員がいる」と指摘する意見のほか「知事の政治姿勢への質問は、部長ではなく知事か副知事が答弁すべきだ」などの意見が上がった。

 県議会事務局の担当者は「開かれた議会運営を目指すほか県議の議会活動の参考にしてもらうため、今後もアンケートは続けていきたい」と引き続き県民の意見を聞いていく考えを示した。(当銘寿夫)