防衛相、伊江島実施要求を継続 嘉手納基地で21日実施予定のパラシュート降下訓練で


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
5月に行われた嘉手納基地でのパラシュート降下訓練。次々と基地内へ降下する兵士=5月10日午後7時40分ごろ、嘉手納基地

 【東京】小野寺五典防衛相は19日の閣議後会見で、SACO合意に違反する嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を米軍が21日に実施することについて「嘉手納は例外的な場合のみ使用されるということで、伊江島補助飛行場で実施するよう申し入れている」と述べ、伊江島で実施するよう引き続き要求していると強調した。

 嘉手納基地での訓練について、米軍は15日、地元の嘉手納、沖縄、北谷の3市町に対して、伊江島補助飛行場の要員調整不足により行う旨の連絡があった。

 小野寺氏はこの理由を受けても「伊江島で実施するよう申し入れている」と説明した。防衛省は19日現在も嘉手納基地で実施する理由を確認しているという。

 パラシュート降下訓練はSACO合意で伊江島補助飛行場で行われることが決まっており、嘉手納町などは日米両政府に中止を求め続けている。小野寺氏は8月17日に米ワシントンで開かれた外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で米側に地元の要望を伝えていた。

 ただ、在日米軍のマルティネス司令官は8月28日に小野寺氏と面談した際「部隊運用上やむを得ない場合もある」などと説明しており、米軍は訓練継続を示唆している。【琉球新報電子版】