南風原の綱引き~石川・輪島の獅子舞 青年会、伝統通じ交流へ


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南風原町青年連合会と交流する、本郷地区の二又川青年団による伝統的な獅子舞=7月、石川県輪島市(二又川青年団提供)

 【南風原】綱引きや棒術の伝統を引き継ぐ南風原町青年連合会のメンバー5人が24日に石川県輪島市で、伝統的な獅子舞が伝わる輪島市門前町本郷地区の青年団と大交流会を開く。過疎と高齢化に悩む本郷地区青年団は、若者が伝統の継承に携わる南風原から、地域の魅力を発信するヒントを探る。南風原町青年連合会は「南風原のことを知って楽しんでほしい」と、互いの伝統文化の良さを再確認する場と位置付ける。5人は23日、沖縄を出発する。

 きっかけは、今年3月に山梨県であった全国青年問題研究集会で、本郷地区の二又川青年団の宮中恵介代表(38)と南風原町青年連合会の伊佐真章会長(27)が同じテーブルに着いたことだ。

 伊佐会長が二又川青年団の獅子舞ポスターに魅せられる一方、宮中代表は南風原の綱引きで一致団結する人々の映像に引き付けられた。伊佐会長の積極的な呼び掛けに応え、宮中代表が準備を進めた。

交流会に参加する(左から)大城翔太さん、南風原町青年連合会の伊佐真章会長、西銘一馬さん、大城茉史さん=18日、南風原町の兼城公民館

 本郷地区は、人口約300戸700人で、55%以上が65歳以上。さらに約20の地域に分けられ、それぞれの地域で独自の獅子舞がある。しかし、過疎と高齢化で「今のままでは継続できない」(宮中代表)と継承に危機感を持っていた。

 そんな時、伊佐会長に獅子舞の素晴らしさをたたえられ、宮中代表は「(本郷地区の獅子舞が)こんなにいいものだったんだと再認識した」と語る。

 交流会では、本郷地区の二又川と内保の二つの青年団が、獅子舞を披露。南風原町青年連合会は、綱引き棒と前方棒、鉦鼓を披露する。町内で綱引きの日に食べられる牛汁も振る舞い、ミニ綱引きも実演する。

 南風原は、伊佐会長と大城翔太さん(28)、西銘一馬さん(27)、大城茉史(まひと)さん(21)、大城康隆さん(27)が参加する。

 交流会に向け宮中代表は「南風原の祭りは人が集まる。地域に魅力があり、魅力が発信できている証拠だ。どう魅力を伝えているのか知りたい」と語った。また伊佐会長は「(南風原の)伝統芸能に誇りもある。沖縄や南風原のことを少しでも多くの人に伝えたい」と話した。