車いすの乗船拒否「差別的と疑われかねない」 沖縄・県調整委が見直し助言


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 今年3月、那覇新港発大阪行きのフェリーが、脳性まひのため電動車いすを使用する男性の乗船を拒否した問題で、県設置の調整委員会がフェリーの運営会社に対して、障がい者に対応するマニュアルや社員教育の在り方を見直すよう求める助言を出していたことが21日までに分かった。「(乗船拒否は)正当な理由が十分とは言えず、差別的と疑われかねない扱い」などとしている。

 乗船拒否にあったのは交通バリアフリー問題活動家の大久保健一さん=兵庫県在住=で、フェリーを運営するマルエーフェリーが乗船をいったん受け付けたものの、乗船直前になって断られた。

 そのため、大久保さんは県設置の「県障害を理由とする差別等の解消に関する調整委員会」に対して(1)不当扱い・直接差別と自覚し認めること(2)単独の電動車いすであっても平等に乗船できるようにすること(3)損害金の賠償―について、知事による助言のあっせんを求めていた。

 大久保さんは琉球新報に対して「私の考えが認められましたので全国的にも画期的な自治体の助言だと思う。これを契機に今後の乗船拒否が無くなっていってほしい」とコメントを寄せた。