興南(男子)那覇(女子)が優勝 全沖縄高校バスケット


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 バスケットボールの第60回全沖縄高校選手権大会は24日、南城市の玉城総合体育館で決勝を行い、男子は興南と豊見城が激しく競り合い、残り1秒で興南が勝ち越し、67―66で豊見城を振り切った。興南は2年連続10回目の優勝。女子は那覇が70―44で西原を下し、5年連続7回目の栄冠を手にした。優勝した2校は12月に東京で開かれる第70回全国高校選手権大会(ウインターカップ)に出場する。

◆残り1秒 劇的逆転/男子興南

興南―豊見城 第2Q シュートを打つ興南のウィリアム・アデバンジョ(右)=24日、南城市玉城総合体育館(花城太撮影)

 試合終了残り1秒、逆転弾がリングに吸い込まれた。興南と豊見城が一進一退の攻防を展開した男子決勝。残り8秒で勝ち越された興南はスローインから平良陽汰主将へのパスを狙うも通らない。残り3秒。川満大我がドライブで切り込むがはじかれる。すかさずウィリアム・アデバンジョがリバウンドからシュートに持ち込み67―66、競り合いに決着をつけた。

 県内負けなしの絶対王者興南は重圧などから硬くなり、苦しい時間が続いた。対策され動きを読まれ、持ち味の守備からの速攻につなげられない。相手の強いプレスでシュート精度も落ち、得点も伸び悩んだ。

 1点ビハインドで迎えた最終第4クオーター(Q)。「最後だから楽しもう」と全員で確認し合った。ウィリアムのリバウンドや「バンバン狙った」という儀間雄山の3点弾、川満の得点を決めつつ相手ファウルも誘うシュートなどが効果的に決まり出した。

 試合を制した瞬間、ウィリアムは「ベンチが総立ちで気持ち良かった」と白い歯をこぼした。井上公男監督も「最後は3年生に託して良かった」と大一番での粘りに目尻を下げた。

 12月のウインターカップに向け平良主将は「浮いた気持ちを締めさせてくれた相手に感謝し、豊見城の分まで、いい試合をしたい」と意気込む。目標のセンターコートに向け、課題の修正を掲げた。(崎原有希)

◆経験を糧に光る判断力/女子・那覇

 

那覇―西原 第4Q レイアップシュートを放つ那覇の東江早紀(右)

 3年主体の那覇が後半に畳み掛け、1、2年が軸の西原を突き放した。

 立ち上がりこそリードを許し、第2クオーター(Q)は互いに攻めあぐねたが「経験を基に自分たちで状況判断して考え、克服してくれた」(屋嘉謙呉コーチ)。速攻を仕掛け、相手の足を崩し続け、付いてこられなくなってきた後半に猛攻。最終的には26点差を付け5連覇を達成した。

 3年の仲宗根悠主将やエース金城みゆらに加え、ベンチメンバーや新戦力の活躍も光った。糸数友郁子は劣勢でコートに入ると、「6人目の選手として流れを変える」と3点弾を量産。18点を挙げた。大会初スタメンの2年東江早紀は持ち前のジャンプ力でリバウンドを制し、攻撃でも12点を決めた。

 仲宗根は「全国では離されたら追い付くのは大変」とシュート精度向上に向け、フォームやリズムの修正を掲げた。