「夕方過ぎて遊ばない」 金武言葉で町内放送 しまくとぅばの日


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金武のしまくとぅばで優しく語り掛ける安次富八重子さん=金武町役場

 【金武】18日の「しまくとぅばの日」に合わせ、沖縄県金武町は同日、しまくとぅばで子どもたちに帰宅を呼び掛ける町内放送を行った。町内でも地域によってしまくとぅばの違いがあり、今回、金武区のしまくとぅばで放送した。町では夕方ごろになると、各地区の屋外に設置された防災無線と有線放送で、子どもたち向けに帰宅を呼び掛けており、この放送をしまくとぅばで行うのは初めて。

 「ゆぅーさんびまでぃ遊びぶりすぅぬわれんちゃや、まーぬわれんちゃえーがやぁ(夕方まで遊んでいる子どもたちはどこの子どもたちね)」。この日、町内に優しく響いたしまくとぅばの声の主は、町内に住む安次富八重子さん(75)だ。

 放送は事前に録音されたもの。10年前まで小学校の教師をしていた安次富さん。「子どもたちに注意をするときは、優しく話し掛けると聞く耳を持つ。だから、今回も優しく話すことを心掛けた」とほほ笑む。

 しまくとぅば放送を発案したのは町文化協会しまくとぅば部会の部長で、町中央公民館の山城清盛館長だ。山城館長によると「各地区の行事ごとに町内放送でしまくとぅばで行事の説明をしている」というが、今回は、子どもたちにもしまくとぅばに関心を持ってもらおうと企画した。山城館長は「しまくとぅばに親しむ一つのきっかけにしてほしい」と期待を寄せた。