琉球に初J2資格 財政面で条件付き交付 現在7位、来季の昇格へ望み


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 サッカーのJリーグは26日、来季のJ1とJ2の参加資格となるクラブライセンスの判定結果を発表した。J3のFC琉球は念願のJ2ライセンス初交付を受けた。J2へは自動昇格が懸かる2位以内に入らないと昇格できない。琉球は9試合を残した第24節終了時点で9勝8分6敗の勝ち点35で7位。2位との勝ち点差は10だが追い上げの可能性は残されており、ライセンス交付も合わせて来季の昇格に望みをつないだ。

 J2初申請で新規交付された琉球は財政面に不安があるとして是正通達付きでの交付となった。通達では(1)17年度の予算進ちょくの定期的報告(2)18年度の予算編成時の事前説明(3)ガバナンスの改善や内部統制の見直しと報告―をJリーグへ行うことが求められた。

 琉球は2014年からJ3入り。15年にはJ3ライセンスの交付について「財務の状況をより精緻に確認する必要がある」として継続審議となり、不交付の危機に立ったこともあった。しかし16年には3期連続赤字を免れて黒字転換した。

 15年から16年末までの約1年半で3度の社長交代など、立て直しのために経営陣の刷新が行われた。16年12月には新社長にスポンサー企業社長の倉林啓士郎氏がJクラブチーム最年少の35歳で就任。チームは経営の安定化を前提に、ホームの沖縄から必要されるチームを目指し、県の産業全体の活性化など新たな取り組みにも意欲的だ。

 また、判定基準となるホームスタジアムの県総合運動公園陸上競技場は、県内初のJリーグ規格サッカー場として12年から15年にかけて改修された。客席はメーンスタンドに加えて、バックスタンドやゴール裏に約1万席を設置。試合の様子などを映し出す大型のモニターや、照明設備も新設された。

 J3からは琉球のほか、鹿児島ユナイテッドFCに新たにJ2ライセンスが交付された。