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未来のプロ育成へ バスケ・新潟U―15新HCに下地氏 古巣復帰で熱意「全力注ぐ」

 重病を克服した熱血漢が未来を担うジュニア世代の育成を託され、約7年ぶりに古巣に戻る。バスケットボールでかつて日本代表アシスタントコーチ(AC)を務めるなど指導者として実績がある下地一明氏(40)が10月1日、新潟アルビレックスBBU―15のヘッドコーチ(HC)に就任する。「トップチームへつながる選手育成や、プロ選手に必要な資質を身に付けられるよう、持っている全ての力を注いでいく」と腕をまくる。(崎原有希)


高校生らを指導する下地一明氏=27日、泡瀬公民館(内原優士撮影)

 現役時代は193センチの長身センターとして活躍。北谷高時代に全国大会出場などを経験した。中央大時代も主戦として活躍し、日本代表候補にも選ばれたが、3年時に突然死を起こすこともあるマルファン症候群を発症。一時コートに戻ったが再び発症し、本格的に指導者の道へ進んだ。

 これまで日本代表ACのほか、bjリーグ時代の富山グラウジーズや埼玉ブロンコスのHCなどを歴任。再発した病が完治してからは、Bリーグ1部の富山のACなどを務めた。かつての自分のように個人のスキルに走る選手もいるが、「共有と調和」をモットーに技術だけでなく心も鍛える。傲慢(ごうまん)だった選手時代から一転、「丸くなったと言われる」と苦笑い。


高校生らを指導する恩師の安里幸男氏(中央)と下地一明氏(右)

 疑問点や気付きは忘れないうちにメモも取る。北谷高時代の指導者である恩師、安里幸男氏の教えが生き、指導者として26歳の頃からノート作りを再開して継続。小学生からプロまで年代に応じたバスケット用語の伝え方や指導方針などを記したノートやメモが入った「魔法のかばん」は、肌身離さず持ち歩く。ノートを見返し、反省を繰り返すことで原点に返り、反復練習の大切さを実感する。

 新潟で指導した11年前に手術でチームを離れた時も「どんな状態になっても戻って来てほしい」と待ってくれた仲間たちに感謝する。「一緒にどういう道を歩めるか楽しみ。プロ選手が生まれてくれればうれしい」と期待は膨らむ。

 新潟にたつ前日の27日、恩師の安里氏のクリニックで高校生らに熱心な指導を行った。北谷高の全盛期を率い、人気漫画スラムダンクの登場人物のモデルにもなった安里氏は教え子の新たな旅立ちに「機は熟した。コーチ経験も豊富で体力も良くなった今こそ、飛び立って力を発揮し成功してほしい。沖縄、日本の宝であり、日本を代表するコーチになるだろう」とエールを送る。

 下地氏は将来的な展望について「ユースから育てた子と、トップチームでヘッドコーチとして一緒にやってみたい。それが1番の理想」と目を細める。夢は沖縄の子どもたちと道端でバスケットができる環境を整え、プレーやバスケット談議をすることだ。「命をいただいたからには、ぶれずに伝え続ける」。いつか動けなくなってもバスケットに携わり続ける覚悟だ。



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