9・29教科書検定県民大会から10年 歴史改ざん許さず きょう浦添で報告集会


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 2007年9月、高校日本史教科書から「集団自決」(強制集団死)での日本軍による強制を削除した検定意見の撤回と記述の回復を求めた県民大会が開かれ、29日で10年となる。文部科学省は現在も検定意見を撤回していない。県民大会10周年を踏まえ「9・29県民大会決議を実現させる会」は29日、報告集会を浦添市の結の街で開く。

 「沖縄戦の実相をゆがめてはならない」という県民の訴えで記述の一部は復活したが、日本軍による「集団自決」の強制性についての記述は実現していない。

 2011年には教科用図書八重山採択地区協議会で保守色の強い公民教科書の選定をめぐる問題が起きた。那覇地区でも今年、道徳教科書の選定・採択が議論を呼んだ。

 報告集会では会の仲西春雅世話人が10年間の取り組みを報告するほか、元白梅学徒の中山きくさんや、渡嘉敷島での「集団自決」を体験した金城重明キリスト教短期大名誉教授が登壇する。高嶋伸欣琉球大名誉教授の教科書を巡る政治情勢の解説もある。

 報告集会は午後6時半からで、参加無料。問い合わせは県高教組(電話)098(887)1661。