「できる限りの移植努める」 小野寺防衛相 辺野古絶滅危惧種サンゴ対策で


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名護市辺野古の新基地建設の埋め立て予定地で見つかったオキナワハマサンゴ(沖縄防衛局作成の資料より)

 【東京】小野寺五典防衛相は29日の閣議後会見で、名護市辺野古の新基地建設を巡り、防衛省が従来は移植対象ではなかったサンゴを移植する手続きを進めていることについて「現行の移植基準にかかわらず、できる限り移植するよう努めることとした」と、条件を緩和したことを説明した。

 防衛省は27日、環境省が海洋生物レッドリストに指定した絶滅危惧種のサンゴ「オキナワハマサンゴ」が辺野古の埋め立て予定地から見つかったと発表した。

 これまで埋め立て予定地のサンゴの移植対象条件は「被度5パーセント以上で0・2ヘクタール以上の分布域内の長径10センチ以上のもの」と定めていた。今回見つかったサンゴのうち生存するオキナワハマサンゴ1群体は長径6・5センチで、従来は対象外だった。防衛省は移植に向けて県知事から特別採捕許可を得るため調整を始めている。

 サンゴの特別採捕許可は工事を止める知事権限の一つとされている。小野寺氏は工事への影響について「移植をする形で適切に対処したい」と述べるにとどめた。【琉球新報電子版】