【辺野古問題取材班】名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ付近上空で29日午前9時ごろ、米軍ヘリが低空飛行を繰り返すのが確認された。シュワブゲート前で新基地建設に反対し座り込んでいた市民らは「なぜこんな飛び方をするのか」「近すぎる」などと怒りの声を上げた。
29日午前9時ごろ、シュワブ内から低空飛行してきた米軍ヘリはシュワブゲート付近の国道329号を沿うように飛行し、シュワブ内へ向け旋回した。米軍ヘリの旋回は沖縄工業高等専門学校付近のシュワブ内にあるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)でも確認された。高専の校舎を中心に複数回にわたって旋回し、付近のヘリパッドで離着陸を繰り返した。
ゲート前では市民ら約50人が座り込んで抗議した。午後0時40分までに砕石を積んだ大型トラックなどの工事車両132台が2回にわたってシュワブ内に入った。その際、機動隊が市民らを排除した。
ゲート前には鳩山由紀夫元首相が駆け付け、市民らと共に座り込み、機動隊が市民を強制的に移動する様子を確認した。
鳩山元首相は「日本という国がガタガタ崩れていく現場をゲート前で見ることができた。米国の言うままに動かされる、まさに現在の日本の政治の姿だ」と指摘した。続けて「軍事基地は日本から撤去しなければならないのに、新基地建設を進める日本政府はおかしい」と新基地建設を強行する日本政府のやり方を批判した。
シュワブ沿岸部の「N5護岸」建設予定地付近の仮設道路では、作業員が袋詰めされた砕石を投下する作業が確認された。新基地建設に反対する市民らは抗議船2隻と少なくともカヌー8艇で抗議を実施した。【琉球新報電子版】