12年ぶり盛大に 八重瀬町当銘・小城で龕甲祭


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この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
12年ぶりに行われた龕甲祭で、威勢よく旗頭を奉納する男性=29日13時17分、八重瀬町小城

 【八重瀬】八重瀬町当銘と小城に1833年から伝わる当銘と小城共有の葬具(葬式を行うのに用いる道具)「龕(がん)」を供養する「龕甲(がんごう)祭」が、29日午後、町小城の龕屋前で12年ぶりに行われた。

 「龕」は、遺体の入ったひつぎを載せて墓まで運んだ屋根のついた輿(こし)のこと。当銘・小城の龕は県指定有形民俗文化財になっている。

 住民らは午前8時15分ごろに龕屋から「龕」を出し、拭き掃除を行った後に龕屋に戻した。

 29日はドラや太鼓が鳴り響く中、両集落の住民らが旗頭や棒術を競い、迫力ある演舞を披露した。夜はそれぞれの集落で豊年祭が行われ、琉舞や組踊、喜劇などが披露される。

 「龕甲祭」は1833年から旧暦8月10日に死者供養の年忌と同様に行われている年忌祭。今年は6回目の二十五年忌で、次回は8年後の三十三年忌になる。

 小城の仲座勝美区長(73)は「集落のみんなで2カ月前から今日のために準備してきた。今日は天気にも恵まれ最高だ」と12年ぶりの祭りを祝った。【琉球新報電子版】