キングス 息切れ 渋谷に54―73 Bリーグ第1戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
第1Q リバウンドボールを競るハッサン・マーティン(12)=29日、沖縄市体育館

 バスケットボール男子のBリーグは29日、2017~18年シーズンが開幕、沖縄市体育館や宇都宮市体育館などで4試合が行われ、琉球ゴールデンキングスは54―73でサンロッカーズ渋谷に完敗し、ホーム初戦は白星で飾れなかった。キングスは一時、15点差に離されたが、第3クオーター(Q)終盤に逆転。しかし最終第4Qで攻撃の勢いが止まり、逆に渋谷に相次いで3点弾を決められてひっくり返され、そのまま引き離された。キングスは第3Qを9点に抑え込むなど、ディフェンス面は随所で厳しいプレーが見られた。しかし3点弾をはじめシュート率が最後まで上がらずに、得点力で渋谷が上回った。渋谷は、昨季までキングスの指揮官だった伊佐勉氏がアシスタントコーチを務め、移籍した山内盛久がシュートやアシストで活躍した。開幕第2戦は30日午後2時35分から、同体育館で行われる。リーグ2連覇を狙う栃木は昨季のチャンピオンシップ4強の三河に78―64で快勝した。昨季準優勝で、レギュラーシーズン60試合で最高勝率をマークした川崎は名古屋Dに76―77で競り負けた。滋賀は73―56で横浜に勝った。(沖縄市体育館、観客3621人)

SR渋谷(1勝)
54―73(26―17,10―13,9―20,28―4)
キングス(1敗)

 【評】第4Qに失速したキングスが完敗した。第1Qは守備が機能せず9点のビハインドを背負ったが、第2Qから厳しいシュートチェックで失点を防いだ。第3Qに逆転に成功したものの、第4QはSR渋谷に内外を攻略されて失点を重ねた。第4Qはキングスは攻撃でもリズムをつかめず、わずか4得点にとどまった。渋谷は最後まで集中力を切らさず勝利をつかんだ。

◆意思疎通が不足
 キングスの佐々宜央HCの話 流れが向こうにいってしまう時にどう我慢するか。気持ちがすぐ落ちて、コミュニケーション不足になってしまった。ここぞという試合では勝つというメンタリティーに持っていけないと勝っていくことはできない。一つ一つのボールのポゼッション(保持)や守備が大切にできていない。勝つための志向をしっかり持てるようにしたい。

◆守備の約束事徹底
 SR渋谷の勝久ジェフリーHCの話 後半は特に勝ちたい気持ちが見え、やりたいことができた。前から当たって強いプレッシャーをかけるなど、守備の約束事を徹底することができ、第4Qではしっかりインサイドを攻めることもできた。

◆第3Q逆転も急失速
 インサイドを崩せず、シュートを外せばリバウンドも奪われる。キングスは後手の悪循環にはまり、相手に要所で3点弾を決められ、突き放された。第3クオーター(Q)後半の逆転劇は、厳しい守りから人とボールが動く素早い攻撃という「新生キングス」の特徴が発揮されたが、それも続かなかった。最終Qは再び、渋谷の徹底した守備に阻まれターンオーバーが続き、つかみかけた開幕戦の勝利を逃した。

 劣勢スタートだったがこの日攻守で13のリバウンドを奪ったハッサン・マーティンが何度もリバウンドから攻撃につなげた。岸本隆一主将もボールを動かし、相手のマークをかき乱し、徐々に点差を縮めた。

 30―36で始まった第3Qはアイラ・ブラウンがリバウンドやスチールで相手の攻撃を防ぎ、自ら得点も決めた。二ノ宮康平のフリースローで同点とし、マーティンが逆転弾を沈めると、ブラウンと二ノ宮が3点弾で続き、リードを広げた。会場は地響きが起こるほどの歓声に包まれた。

 一方、大事な場面での粘りが足りずに連続失点し、最終Qは4―28と突き放された。ラスト約10秒で動きが止まった姿に、ファンから落胆の声が上がった。佐々宜央ヘッドコーチは「最後まで諦めない姿を見せないとファンは来なくなる」と手厳しく「逆境をはねのけたい」と巻き返しを誓った。岸本は「意味のある負けだったと思えるようにしたい」と敗戦を糧に変え、続く30日の第2戦に挑む。(崎原有希)