具志川商、13年ぶり8強 沖縄県秋季高校野球第10日


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 高校野球の第67回秋季大会第10日は30日、コザしんきんスタジアムなどで3回戦8試合を行い、8強が決まった。シード4チーム全てが勝ち残った。

 具志川商は3―2でKBC未来に競り勝ち、13年ぶり3度目、興南は延長十回、3―2で宜野湾にサヨナラ勝ちし3年連続30度目の8強入りを決めた。

 シード勢は第1シードの石川が3―1で北山に勝利し、24年ぶり16度目の8強入り。第2シードの中部商は3―2で知念との接戦を制し、2年ぶり17度目、第3シードの沖縄工は9―0で那覇に完封勝ちして7年ぶり22度目、第4シードの沖縄尚学は5―0で読谷を下し、4年ぶり27度目のベスト8入りとなった。

 糸満は6―3で美里工を下して3年ぶり9度目、沖縄水産は5―4で美来工科との競り合いを制し、8年ぶり27度目の8強入りを決めた。

 10月1日はコザしんきんスタジアムと北谷公園野球場で準々決勝4試合を行う。

◇1年生左腕、気迫の完投 具志川商・新垣

KBC未来―具志川商 気迫のこもった投球で2安打完投勝利をつかんだ具志川商の新垣瑠依=30日、嘉手納球場(平安太一撮影)

 具志川商の1年生左腕・新垣瑠依が気迫の投球を見せて、チームを13年ぶりのベスト8に導いた。先発のマウンドは今大会初めて。相手は昨年秋の1年生大会を制した強豪のKBC未来で「緊張もあった」。毎回のように走者を背負いながらも、要所を締めて2失点で完投。勝利の瞬間は拳を握り、「抑えられて良かった」と喜びをかみしめた。

 緩急をつけた投球が光った。左打者に対しては落差のあるスライダーでタイミングをずらし、コーナーを突く直球も生かしながら凡打の山を築かせた。初回から1死一、二塁と厳しい場面を迎えたが、「キャッチャーを信じて投げるだけ」と後続を三振と投ゴロに仕留めた。野手も好守備で1年生左腕の好投を支え、新垣は「ピンチが多かったけれど、みんなに助けられた」と感謝する。

 打線は相手投手の立ち上がりを攻めて初回に2点を先制。六回に1点を追加して白星を引き寄せた。初回に適時三塁打を放つなど、4安打2打点の活躍だった知名憂斗は「変化球にも真っすぐにも対応できた」とうなずく。

 具志川、浦添商、KBC未来と難敵を撃破してつかんだベスト8。さらなる快進撃も予感させるが、新垣は「できることを精いっぱいやるだけ」と慢心せずに次戦を見据える。(平安太一)

◇きのうの結果
▽3回戦
沖縄尚学 5―0 読谷
興南 3―2 宜野湾(延長十回)
沖縄工 9―0 那覇
糸満 6―3 美里工
中部商 3―2 知念
沖縄水産 5―4 美来工科
具志川商 3―2 KBC未来
石川 3―1 北山

◇1日の試合
▽準々決勝
【しんきん】10時
石川―具志川商
中部商―興南
【北谷】10時
沖縄尚学―糸満
沖縄工―沖縄水産