[ココロ・カラダ不思議つながり]27 寝るのが遅いと影響ある?


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Q.寝るのが遅いと影響ある?

 

 今日の質問は、宿題が多いし、終わってからスマホを見たりして、寝るのが夜中の2時を過ぎてしまいます。これって背が伸びる以外に、何か影響はありますか? です。中学3年生からです。

A.あらゆる元気・やる気に関係

 

 受験に向けてたくさん勉強しているんだね。終えてからの楽しみがスマホなのかな? ただ、スマホやゲーム機、テレビなどのチカチカする光の刺激は脳を興奮させるので、寝つきが悪くなるし、睡眠の質が落ちてしまいます。だから、寝る2時間前までにしたほうがいいです。そのぶん早く寝て、朝スマホチェックするのはどう? 午前中に太陽の光やスマホなどのブルーライトを浴びるのは、先週お話した体内時計をカチっとリセットするのに役立ちます。

 夜中の0~2時の間にぐっすり寝ているとたくさん出る成長ホルモンは、背を伸ばすだけではなく、骨や筋肉などの細胞の入れ替わりや病気に対する抵抗力、集中力や記憶力など、あらゆる元気・やる気に関係しています。だからきちんと寝ていると、勉強の効率も上がるし、身体もテキパキ動いてけがもしにくいし、起きている時間を充実させることができます。

 よく休みの日に寝だめするって人がいるけど、睡眠は貯めておけないので、毎日とることが大切なんです。貯蓄はできないのに不足すると負債はたまっていきます。すると体内時計がバラバラに動き始めて、あっちこっちが痛くなったり、思うように身体が動かなくなったり、気持ちが落ち込んだりと色んなSOSが出ます。

 必要な睡眠時間は、運動をしている中学生なら10時間、していない人は9時間です。「え~!?」って声が聞こえてきましたが、日本は低年齢の子どもの睡眠時間が世界で一番短いという調査結果もあります。おとなも含めて生活リズムや睡眠を見直すことが必要です。家族にも教えてあげて、時間を効率良く使う工夫をして、睡眠時間を確保できるよう協力してもらってくださいね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

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ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)