塗装で優先駐車場の高温対策 身障者ら用、沖縄のNPOと静岡の会社開発


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
高温対策が施された優先駐車場の開発を発表する関係者ら =3日、沖縄県うるま市の県工業技術センター

 障がい者や高齢者らの支援を行う特定非営利活動(NPO)法人バリアフリーネットワーク会議は3日、沖縄県工業技術センターや静岡県の伊東産業と協力して、高温対策の施された優先駐車場の開発に成功したと発表した。障がい者や高齢者、妊婦などが利用する優先駐車場を、高温化を抑える特性を持った塗料で色付けし、熱による利用者のストレスを軽減させることが可能になる。

 同会議は2016年9月ごろから高温対策が施された優先駐車場の開発に向けて実験を進めてきた。赤外線を反射して温度を下げる効果を持った伊東産業の塗料を活用し、優先駐車場を色分けした。温度を下げる効果に加えて、一般の駐車場と区別する目的も果たせるようにした。実験では、高温対策が施された優先駐車場は平均で12度ほど温度が下がったという。

 同会議は身障者らに駐車利用証を交付する「パーキングパーミット」で同駐車場を活用することを目指している。駐車場のラインなどには夜間に光る塗料も使われており、暗闇の中でも見えやすいように工夫されている。今後も継続して実験を重ね、18年始めまでの製品化を目指している。

 新開発された駐車場を見た、車いす陸上選手の喜納翼さんは「車いすは地面に近く、車に乗るのも時間がかかる。温度が違うことで負担が大きく軽減される」と感想を述べた。