辺野古、政権評価で違い 赤嶺、国場、下地氏激論沖縄1区討論会


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沖縄1区立候補予定者の(左から)下地幹郎氏、赤嶺政賢氏、国場幸之助氏=4日午後、那覇市天久の琉球新報本社

 琉球新報社は4日、10日公示、22日投開票の衆院選で沖縄1区から立候補を予定する共産前職の赤嶺政賢氏(69)と自民前職の国場幸之助氏(44)、維新前職の下地幹郎氏(56)を那覇市の本社に招き、政策討論会を開いた。米軍普天間飛行場の移設問題や安倍政権への評価、改憲や自衛隊、野党再編などで3氏が見解を示し、論戦を繰り広げた。

 赤嶺氏は「疑惑隠し解散、自己保身解散だ」と批判。「加計、森友問題、南スーダンの日報隠蔽(いんぺい)問題などで、安倍首相が国会の追及を恐れた」と述べた。「沖縄での争点は辺野古の問題」として「普天間飛行場は移設条件を付けず、直ちに閉鎖・撤去すべきだ」と訴えた。

 国場氏は「安倍政権で間違いなく経済環境は好転した。格差是正も含めて、もっと実感できるようアベノミクスを徹底したい」と強調。辺野古問題では「司法の場で決着が出ているからといって、それでいいとは思っていない。県民の思いをくみ取っていくのが政治の役割だ」と語った。

 下地氏は、安倍首相が「国難突破解散」と位置付けたことを「安倍政権は5年近く政権を維持している。困難という状況をつくったのは自らの責任だ」と指摘。辺野古問題には「現実に埋め立てが起こっている。賛成・反対と言うより、裁判でなく政治に交渉を戻すべきだ」と主張した。

 クロス討論では、3氏が質問をぶつけ合った。

 赤嶺氏は国場氏に「辺野古容認に立場を変えた。政治責任は」と質問。国場氏は「普天間問題の本質は危険性の除去、固定化させないことだ。政治は結果を出さないといけない」と答えた。

 国場氏は下地氏に「選挙の度に政党が変わっているが、安全保障の軸は何か」と尋ねた。下地氏は「公約違反をしても自民党に残る人もいる。私は安全保障の政策が大きく変わったことはない」と説明した。

 下地氏は赤嶺氏に「自民も維新も入っていないのに『オール沖縄』という表現は正しいか」とただした。赤嶺氏は「子や孫の世代に基地を残したくないと、一つの心で沖縄の人が結びついている」と強調した。

 1区には、幸福実現党新人の下地玲子氏(59)も立候補を予定している。