オスプレイ事故、情報開示求め米遺族提訴 米高官16年に欠陥認める


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】2000年にアリゾナ州で起きた米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故を巡り、ウォルター・ジョーンズ米下院議員(共和、ノースカロライナ州選出)と遺族は、情報の自由公開法(FOIA)に基づき、国防総省に対して事故に関連する全ての情報の開示を求め、ワシントンDC連邦地裁に訴訟を起こした。ジョーンズ議員らが3日、記者会見し、明らかにした。

アリゾナ州でのオスプレイ墜落事故について、全ての情報を開示するよう訴えるジョーンズ下院議員(右から3人目)と遺族ら=3日、米ワシントンDC

 2000年、アリゾナ州ユマ海兵航空基地を飛び立った試験飛行中のオスプレイが墜落し、19人が死亡した。国防総省は当初、墜落の主な原因は操縦士2人の「人為的要因」と発表した。

 16年、ワーク国防副長官(当時)はジョーンズ議員宛てに書簡を送り、人為的要因が事故の一因だったことに疑いはないとする一方、操縦士2人にだけ責任があるのではなく、開発段階だったオスプレイに欠陥があったことを認めた。

 下院軍事委員会委員でもあるジョーンズ氏は、約15年にわたり事故に関する情報の提供を求めてきたが、十分な回答がなかったと説明。「オスプレイは、海兵隊がそうなると考えていたドリームマシン(夢の航空機)とは思わない」と述べた。

 原告となった操縦士2人の妻、トリシュ・ブロウさん、コニー・グルーバーさんは「求めているのは、全ての事実の開示と透明性だ」と訴えた。