ブレークダンスで世界へ 沖縄県出身MAHHAさん 後進育成も


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
国内外で活躍するブレークダンサーのMAHHAさん=9月29日、糸満市西崎のNSSBダンススタジオ

 国内のダンス大会で幾度も優勝経験があるブレークダンスのチーム「MORTAL COMBAT(モータルコンバット)」に所属する沖縄糸満市西崎出身のMAHHA(マッハ、本名・金城隼人)さん(32)は、7月17日に神奈川県で開催されたBOTY(バトル・オフ・ザ・イヤー)2017JAPANで優勝を果たし、10月21日の世界大会(ドイツ)に出場する。「大会では全力を尽くしたい」。世界大会に向け、練習に励む日々だ。マッハさんは人気ロックバンドB‘zや韓国の人気男性アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」のバックダンサーも務めるなどダンサーとして活躍する傍ら、子どもたち向けの体験講座の開催など活動の幅を広げている。

 中学1年生の時、県内出身の人気ダンスグループ「DA PUMP」にあこがれてダンスを始めた。高校1年生で、県出身で世界的に活躍するブレークダンサー、KAZUHIRO(カズヒロ)さん(41)主宰のダンス教室に通い、そこからブレークダンスにのめり込んでいった。

BOTY2017JAPANで踊るMAHHAさん(画像中央)=7月17日、神奈川県川崎市(MAHHAさん提供)

 一度は調理師の道に進もうと東京の調理師専門学校に入学したが、卒業後はダンスで生きる道を選んだ。2007年にモータルコンバットへ加入した。10年に、同チームの一員として世界大会2位に輝いた。その後は社会経験を積むため、オーストラリアで働きながら1年間を過ごした。「たくさん辛い思いもした。あの時の経験からダンスができる環境に感謝するようになった」と振り返る。12年に帰国してからはテレビ番組や吉本新喜劇などに出演している。

 近年は、後進を育成したいと、子どもを対象にしたダンス合宿や体験講座を全国各地で開催している。9月29日、同チームメンバーと共に糸満市を訪れ、初・中級者向けの1日限りのダンス教室を県内で初開催した。マッハさんは「カズヒロさんのように地元・糸満の子らにダンスの楽しさと技術を教えたい」と強調する。さらに「ダンスの舞台はほんの一握りが一瞬の輝きを放つ場所だ。教え子の中で少しでも多くの子がそこに立てたらいいと思う」と語った。(宮城美和)