[ココロ・カラダ不思議つながり]28 男と女の性別、なぜあるの?


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Q.男と女の性別、なぜあるの?

 

 今日の質問は、なぜ男と女という性別があるのですか? です。中学1年生からです。

A.親と違う子どもつくるため

 

 人間の身体は思春期が終わると、ブロックのような細胞が約60兆個(数字で書くと60000000000000!)にもなります。地球が生まれたのが46億年くらい前で、地球上に生き物が現れたのは40億年くらい前と言われています。そのころはまだたくさんの火山などがあって、海中の火山から熱いお湯が吹き出ている所で最初の命が生まれたのだろうといわれています。だから、私たちが持っている細胞の中は大昔の海の水とよく似た水でできています。海を見るとなぜか懐かしい気持ちになりませんか?

 最初の命はたった1個の細胞でできていました。その後長い間、生き物は自分の身体を半分に分ける、という方法で子どもをつくってきました。この方法は自分1人で子どもをつくることができるので、とても簡単です。でも、もし親が暑さに弱い特徴を持っていると、子どもも全員、暑さに弱い特徴を持つので温暖化したら生き延びられません。こういう特徴の書いてある、命のつくり方の手紙のようなものをDNAと呼びます。

 20億年から10億年くらい前、親と「違う」子どもをつくるため、DNAを混ぜる方法が生まれました。DNAを混ぜると親と違うだけではなく、きょうだいでもいろんな子どもが生まれます。するとさまざまな環境の変化があっても、生き残れる可能性が高くなります。「違い」が生き物としての生き延びる強さにつながるのです。

 たくさん混ぜるとより良いと思うけど、出会うのが難しくなります。大きくて、ほとんど動けないけど栄養をたっぷり持っているもの(後から雌と名付ける)と小さくて動きまわれるもの(後から雄と名付ける)の組み合わせが一番生き残りやすかったので、二つを合体する方法になりました。こうして性別が生まれたのです。でも、人間の性別はもっと複雑です。これから順番にお話していきますね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

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ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)