ハンドボール少年女子、決勝へ えひめ国体第9日


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 【愛媛国体取材班】第72回国民体育大会「2017愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」の第9日は8日、愛媛県内で各競技を行い、ハンドボールの少年女子準決勝で沖縄選抜が延長の末、29―27で岩手選抜を下し、決勝進出を決めた。レスリングの成年男子フリースタイル65キロ級決勝で金城希龍(自衛隊体育学校)は乙黒圭祐(山梨)に敗れ、準優勝だった。少年男子フリースタイル55キロ級の徳比嘉二仁(南風原高)は3位に入賞した。重量挙げの女子53キロ級に出場した佐渡山彩奈(いちご)はトータル180キロ(スナッチ81キロ、ジャーク99キロ)で2位だった。ボクシングの成年男子ウエルター級準決勝に埼玉代表で出場した金城大明(那覇高―東洋大、自衛隊体育学校)は対戦相手が試合途中で棄権し、決勝に勝ち進んだ。銃剣道の成年男子は初戦の2回戦で2―1で岡山に勝利した。ソフトテニスの少年男子は準々決勝で2―0で山形に敗れ、9日の順位決定戦へ回った。相撲は成年男子団体決勝トーナメント1回戦で地元・愛媛と対戦し、0―3で敗れた。

◆守備光り、延長制す/黄金世代 楽しんで成長

ハンドボール少年女子準決勝 沖縄―岩手 延長後半に相手守備裏でこぼれ球を拾い28点目を決める儀間鈴香=8日、愛媛県の松山総合コミュニティーセンター体育館

 「楽しみながら成長している」(佐平牧生監督)という沖縄の選手らは、夏の全国高校総体3位の不来方高を擁する岩手を延長の末に29―27で破り、決勝進出を決めた。浦添の選手にとっては春の選抜大会3回戦で敗れた不来方へ雪辱を期した試合だった。

 崩れることがない守備の強さが光った。身長が高い岩手に対し、狩野笑実と儀間鈴香が相手ポストの動きを2人で抑えて内への攻めを封じると、サイドシュート勝負を誘って守護神のGK下地真央が好セーブを連発。速攻へとつなげた。

 それでも相手のロングシュートの決定力は高く、接戦が続いた。勝利目前の後半終了間際、ポスト儀間へのパスがこぼれる。逆速攻を受けて残り5秒で24―24の同点に。大歓声を上げる岩手だが、沖縄は勢いにのまれなかった。

 延長前半、東江華奈の「逆方向にひっかけた」巧みなロングシュート2発などで27―26。延長へ持ち込まれたミスを挽回しようと、「相手守備位置を見てここに来ると思った」と儀間がこぼれ球をゴール正面で拾い「死ぬ気のシュート」で2点差とした。すぐに失点を許すも、伊波優里が「出してもらった意地でした」と、相手守備を振り切るパワープレーのダメ押し弾で勝利を決めた。

 沖縄選抜12人中9人が、2014年の全国中学校大会の決勝で、港川―神森の県勢対決を経験したメンバー。高校でさらに成長し、新戦力と切磋琢磨(せっさたくま)してきた黄金世代だ。15年ぶり3度目の優勝まであと一つ。東江は「メンタルの強さが勝負を分ける。悔いのない試合にしたい」と愛知との頂上決戦に意気込んだ。(嘉陽拓也)