比嘉武二郎さん死去 沖縄戦で投降呼び掛け


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比嘉 武二郎氏

 沖縄戦当時、米陸軍の通訳兵としてガマなどで投降を呼び掛け、多くの県民の命を救った比嘉武二郎(ひが・たけじろう)さんがハワイ時間7日午後2時、ホノルル市内の病院で急性肺炎のため死去した。94歳。告別式は未定。

 オアフ島出身。2歳から16歳まで両親の出身地、現在の北中城村で育った。1939年にハワイに戻り、米当局から「スパイ視」されることを恐れ、19歳で米陸軍に志願。通訳兵として採用され、沖縄戦で住民にウチナーグチで投降を呼び掛けた。

 戦後はハワイの国税機関に勤めた。たびたび来沖し、県内の学校で児童・生徒に自身の体験を話した。

 2006年6月、沖縄戦で県民に投降を呼び掛け救出したとして、県から感謝状が贈られた。