翁長沖縄県知事、現場視察 「国は力発揮せず」 怒り通り越し疲れ


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 米軍CH53ヘリが不時着し、炎上した東村高江の現場を12日午後に訪れた翁長雄志沖縄県知事。米軍事故が起こる度、何度も関係機関に抗議や要請をしても事故が繰り返される現状に「日本政府は当事者としての力を発揮できない」と厳しく批判した。現場を見つめる知事の表情には怒りを通り越し、疲れがにじんでいた。

 翁長知事を乗せた車は、自民党の岸田文雄政調会長の現場視察から約5分後に到着。名護市辺野古の新基地建設や高江のヘリ着陸帯建設に反対する市民らが、岸田会長の車に怒りの声を上げたのとは対照的に拍手が起こった。

 無残な姿となった米海兵隊のCH53大型輸送ヘリから約100メートル離れた場所で、名護署長から事故経緯の説明を受けた。翁長知事は険しい表情で耳を傾けていた。

 視察の現場にいた仲嶺久美子高江区長らに「厳しい環境を強いてしまい、申し訳ございません」とおわびも。火災で牧草地に被害を受けた西銘晃さんから話も直接聞き「岸田会長に伝える」と約束し、那覇に向かう車に乗り込んだ。