「本来ならきのう収穫に入っていた。たまたま作業が遅れて災害を逃れた」。米軍ヘリが炎上した東村高江の牧草地を所有する西銘晃さん(64)は12日午後、現場を視察した翁長雄志知事に「一歩間違えば命にかかわる事故だった。不幸中の幸いだ」と訴えた。
冬場に向け最盛期を迎えた牧草地の真ん中でヘリが燃えた。被害は30万円になるという。豚50頭の出荷も予定していたが、現場近くの豚舎に入ることができなかった。「もし出荷が遅れると、品質が落ち、大変な損害になる」と心配する。
2004年に沖縄国際大学でヘリが墜落した事故では、放射性物質の飛散が問題になった。今回の事故で直後に現場に駆け付けた。約1時間ほどして鎮火したころ、警察官を通じ、米軍から同じようなことも考えられるので立ち去るようにと求められた。「たっぷり煙を吸った。今さら遅いのではないか」とあきれる。牧草地への影響も心配だ。
西銘さんによると1995年にも自分の牧草地へ米軍機が不時着した。
日米両政府に対して「県民が基地に反対しているのはどういうことか、(事故を)現実問題として捉えてほしい」と話した。