放射線「内周」内の調査、土壌採取は認められず 高江ヘリ炎上


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県と沖縄防衛局は17日、米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eが不時着し、炎上した事故以来初めて、内周規制線内での環境調査をそれぞれ実施した。GM計数管式表面汚染測定用サーベイメータを利用し、放射能汚染の有無を調べた。ただ、県によると最大の懸念事項であるストロンチウム90の放射能濃度を調べるには土壌試料を採取する必要があるが、認められなかった。

 今回の調査法ではさまざまな放射性物質が放出するベータ線を区別することなく測定するため、土壌中にストロンチウム90が含まれているのか、また含まれていたとしてもそれが事故由来なのかについて把握することができない。県は引き続き防衛局を通して土壌採取ができるよう働き掛ける。

 県は同日、12日に高江小学校敷地内で実施した放射線調査の結果についても発表し、比較調査地点と比べ異常な数値は検出されなかったと結論付けた。福地ダムなどの臨時水質調査についても「異常なし」とした。

 一方、矢ヶ﨑克馬琉球大学名誉教授も事故現場の風上に当たる高江小学校と、現場から300メートル風下の牧草地と農道を対象に実施した独自の放射線測定調査の結果を発表した。矢ヶ﨑氏は「風下地域のベータ線は高江小と比較して高かった」との見解を示した上で、高江小学校の敷地はストロンチウム90の影響はなく「子どもたちは安心安全に授業を受けることができることが証明された」と結論付けた。