憩いの場 再生願い 民謡「あかばんた」の歌碑建立 きょう資金造成公演


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完成した歌碑「あかばんた」と「手登根アカバンタ有志の会」のメンバー=15日、南城市佐敷手登根区

 【南城】かつて若い男女の出会いの場として「野遊び(もーあしび)」が盛んだった沖縄県南城市佐敷手登根区の「アカバンタ」に、9月30日、民謡「あかばんた」の歌碑が建立された。手登根区の嘉数勝實(かつみ)区長(58)は「地域の過疎化が進んでいる中で、再び人が集い憩いの場となるよう期待している」と話した。20日午後7時からは歌碑建立資金造成芸能公演(手登根アカバンタ有志の会主催)が南城市文化センターシュガーホールで上演される。入場料は2千円。

 歌碑は高さ1メートル70センチ、横2メートル70センチ。歌碑に刻まれた民謡「あかばんた」は同区出身の宮城鷹夫さんが作詞した。民謡歌手の上原正吉さんが歌い、第1回ROK新唄大賞で大賞に選ばれた。

 かつてのにぎわいを取り戻そうと、元同区区長の屋比久昌明さん(62)ら有志が「手登根アカバンタ有志の会」を結成し、戦後は荒れ地となっていたアカバンタの地を整備。2015年からはさまざまな催しも開催されるなど、次第ににぎわいも見せ始めている。

 歌碑が完成したことに、屋比久さんは「歴史だけが語り継がれるのではなく、場所の活用も続いてほしい」と話し、一層の活性化に期待を込めた。20日の歌碑建立資金造成芸能公演の問い合わせは(電話)090(8917)8844。