観光はものづくり基盤 WUB例会、宮城弘岩氏が講演


社会
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宮城弘岩氏の講演に耳を傾けるWUB沖縄の会員ら=20日、那覇市泉崎のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 WUB沖縄(上江洲仁吉会長)の定例会が20日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで開かれ、沖縄物産企業連合会長の宮城弘岩氏が「沖縄の自立経済とアジア戦略」と題して講演した。

 宮城氏は、沖縄への観光客が増加を続けながら県民所得が比例して伸びていない経済構造の課題を指摘し、「ものづくりをベースとした観光でなければ付加価値が付かず、所得は伸びない」と主張。サトウキビ農家の高齢化や農産物輸出の低さなど、沖縄の第1次産業と他産業との結び付きの弱さを指摘した。

 世界的な島嶼(とうしょ)地域との比較で「沖縄発展のモデルになると思い20年前にハワイに通ったが、ハワイはものづくりをやめて観光業だけに移行した。今ではパイナップルもサトウキビもなくなり、観光客が増えながら所得が増えない厳しい状況がある」と指摘。沖縄の目指す姿としてインドネシアのバリ島を挙げ「人口の4割がリゾート都市に集中し、残り6割は背後地で農業をやっている。都市と農業が結び付き、その間に酒や染織、焼き物の文化が生まれている」と述べた。