琉球 拙攻ドロー FC東京U23に1―1 J3


社会
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 サッカー明治安田J3第28節は21日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で行い、FC琉球はFC東京U―23と対戦して1―1で引き分けた。琉球の通算成績は10勝10分け7敗、勝ち点は40。この試合は琉球新報社の冠試合。雨脚が強いなか、琉球はパスを細かくつなぎ、何度も好機をつくるが、得点につなげられなかった。前半で東京に先制点を奪われるが、後半立ち上がりのMF田辺圭佑のコーナーキックにDF増谷幸祐がうまく頭で合わせ同点ゴールを決めた。後半は何度も好機があったが生かし切れず、勝ち越せなかった。琉球の次節は29日午後1時から鳥取県のとりぎんバードスタジアムでガイナーレ鳥取と戦う。

(2)沖縄県陸(琉球1勝1分け)
琉球 10勝10分け7敗(40)
 1―1(0―1,1―0)
F東23 10勝5分け11敗(35)
▽得点者【琉】増谷(4)【F】小林幹(4)
▽観衆 1138人

 【評】琉球は前半、MF上門知樹や田中恵太らがいい形で攻め上がるも得点が入らず、先制を許した。後半開始後すぐ、MF田辺圭佑のコーナーキックに反応したDF増谷幸祐のヘディングシュートで同点とした。琉球は東京を上回り、前後半で21本のシュートを放ったものの、相手GK波多野豪の好守備に何度も阻まれて決定機を逸した。

◇来季J2昇格、絶望的

FC琉球―FC東京U―23 後半2分、コーナーキックから鮮やかなヘディングシュートを決めるDF増谷幸祐=21日、県総合運動公園陸上競技場(新里圭蔵撮影)

 J2昇格へ崖っぷちの状態で臨んだFC琉球がFC東京U―23と1―1で分け、来季の昇格は絶望的となった。

 東京のシュート7本に対して琉球は21本、コーナーキックは東京の1本に対して15本と得点機で圧倒的に上回りながら勝ち越せなかった。197センチのGK波多野豪のファインセーブにたびたび阻まれた。試合後の会見で「昇格は厳しくなった」と切り出した金鍾成監督は「後半決めるべき場面で決め切れなかった」とチームの課題を見詰めた。

 今季初スタメンのMF上門知樹や田中恵太が躍動し、久しぶりのFW先発となった才藤龍治らと共にゴール前を急襲したが点は入らず、前半41分に先制された。

 後半立ち上がり直後、MF田辺圭佑のコーナーキックをDF増谷幸祐が頭で合わせて同点弾を沈め、振り出しに戻した。

 長時間のボール支配で若い選手が多い東京にプレッシャーをかけたが、好守備と読めない風雨の“二重の壁”を前にあと1点が遠かった。増谷は「パスを蹴る足元何センチ単位での精度が、まだおろそかだ」と自戒を込めた。

 今季はあと5試合を残すのみで、上位との連戦で終える。金監督は「来季に向けて1戦1戦やっていくしかない」と力を込めた。

◇好機に決められない
 金鍾成監督(FC琉球)の話 前半の失点も課題が残るが、決めるところで決めきれない。数字的にみても、J2昇格は厳しくなった。来季に向けて、調整を行うのではなく、1つの1つの試合をしっかりプレーし、見直して次につなげたい。

◇予定通りに1点
 中村忠監督(FC東京U―23)の話 前半は攻めようと決めていて、予定通り1点取ることができた。若い選手たちが主体の中で、良いプレーができていた。後半に攻撃の時間が短くなっていることが課題だ。