組踊音楽太鼓・比嘉聰さんに人間国宝認定書 「後進育成が課題」 伝承に決意新た


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人間国宝に認定された比嘉聰さん=23日、東京都内

 【東京】国指定重要無形文化財各個認定保持者(人間国宝)らの2017年度認定書交付式が23日、東京都内のホテルで開かれた。宮田亮平文化庁長官は、組踊音楽太鼓の人間国宝に認定された光史(みつふみ)流太鼓保存会副会長で沖縄県立芸術大教授の比嘉聰(さとし)さん(65)=那覇市=に認定書を手渡した。

 人間国宝は県内12人目(そのうち3人は物故により現在は解除)で芸能分野では7人目。比嘉さんは県内初の戦後生まれの人間国宝となる。

 組踊の立方が演じる人物の激しい感情の動きなど、曲趣を的確に捉えていることや、端正で抑制の利いた演奏などが高く評価された。

 交付式の後、比嘉さんは「大変うれしい。ただ、組踊で人間国宝に認定された先輩方と一緒になることにまだ不思議な感じがする」と謙遜しつつ「受け継がれてきた組踊を伝承するために後継者を育てることが大きな課題だ」と決意を新たにしていた。

 文化庁はこのほか11保存者・保存団体に認定書を交付した。

 11月1日午後6時半から、比嘉さんの人間国宝認定記念公演が浦添市の国立劇場おきなわで開かれる。