IoTでサンゴ飼育 水槽の状況、スマホで確認 沖電開発や沖縄セルラー「環境保全につながる」


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IoTを活用したサンゴ飼育システムの開発を発表する知念克明氏(左)と國吉博樹氏=25日、那覇市の沖縄セルラー電話

 沖電開発と沖縄セルラー電話、沖縄セルラーアグリ&マルシェは25日、多様な機器がネットワークにつながる「モノのインターネット(IoT)」を活用したサンゴの飼育システムを開発すると発表した。遠隔地でも水槽内の状況を把握し、サンゴにとって適切な飼育環境を維持する。

 試作品による飼育試験などを経て、2019年度の一般向け販売を目指す。システムを活用して育てたサンゴを海に植え付け、環境保全につなげることを目標としている。

 沖縄セルラー電話はIoTを活用して野菜を栽培する「やさい物語」を販売している。サンゴの飼育システムでも「やさい物語」と同様の技術が使われる。水槽内に取り付けた機器が内部の動画や水温、水位などを記録し、クラウドサーバーを通じて利用者のスマートフォンで確認できるようにする。

 サンゴの養殖や植え付けなどを手がける沖電開発は、機器を設置するための小規模水槽を製造する。

 来年1月までに試作品を完成させて、2月頃には飼育試験を開始する予定。開発した飼育システムは教育機関への設置のほか、一般家庭に流通させることも見据えている。販売価格などは今後、決定する。

 沖電開発の知念克明社長は「今回のシステム開発で沖縄の宝であるサンゴを保全し、環境教育も活発にしたい」と意欲を示した。

 沖縄セルラー電話の國吉博樹ビジネス開発部長は「環境保全につながるシステムだ。全国の家庭で育てたサンゴを沖縄の海に植え付けるプロジェクトにできれば、観光産業にも貢献できる」と今後の展開に期待を込めた。