キングス、痛恨敗戦 千葉に61―72 Bリーグ第10戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは27日、沖縄市体育館で千葉ジェッツと今季第10戦を行い、61―72で敗れた。キングスは1Qから、千葉のミドルシュートの決定力の高さに押され、リードされる展開へ。アップテンポな流れの中でキングスはタフ気味なシュートが多く、さらに千葉の素早い攻守の切り替えや3点弾に苦しんだ。しかし、3Qからはアイラ・ブラウンなどがパスカットやルーズボールへの飛びつきなど守備でアグレッシブさを見せ、津山尚大のドライブや須田侑太郎の3点弾で勢い付く。4Qには一時、2点差に追いついたが、攻撃中の細かなミスなどでシュートチャンスを失い、逆転できなかった。次戦は29日午後6時5分から同体育館で千葉と対戦する。(観客3476人)

千葉(8勝2敗
72―61(22―16,19―10,17―28,14―7)
キングス(6勝4敗)

【評】序盤から千葉の中・遠距離シュートの決定力に点差を広げられる一方、キングスは攻撃がうまく決まらず、アップテンポなゲームの中でリードを許し続けた。3Qになると個々の選手が攻守で躍動し、3Qだけで28―17と一気に点差を詰めたが、4Qでは相手守備をうまく崩せずに反撃を受け、チャンスを逃した。

◆気持ちで戦えず
 佐々宜央HC(キングス)の話 強豪の千葉相手に、気持ちの面で40分しっかり戦えなかった。守備のゲームプラン自体は悪くなかったが、攻撃では自分で行くべきところで周囲に任せるなど、ボールが止まっている時間があった。

◆守備から粘れた
 大野篤史HC(千葉)の話 3Qで攻撃が停滞したが、4Qに入る前に、全員で走るといういつも通りのバスケを確認し、守備から粘れたのが勝ちにつながった。

◆「試合に臨む姿勢 欠く」

琉球―千葉 第4Q 必死の追い上げでリングを狙う岸本隆一=27日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 強豪の千葉を相手に前半は41―26と差を広げられたキングスだが、3Qから選手の強気のプレーで追い上げ2点差まで追い詰めた。しかし、攻撃があと一歩でシュートに行けず、勢いを封じられたまま敗北した。佐々宜央HCは「選手の持っているものはいいが、40分間試合に臨む姿勢が欠けている。非常に危機感を抱いている」と厳しい言葉で試合を振り返った。

 日本屈指の司令塔、千葉の富樫勇樹に津山尚大がマッチアップし、計7点に抑えるなど「守備のゲームプランは悪くなかった」(佐々HC)。だが、立ち上がりから外国人選手らのミドルシュートを許してリードを許した。反撃したいキングスだが攻め込んだ直後、スチールやカットがうまい相手のビッグマンに対し、各選手のシュートやパスの選択が遅れてしまう。さらに、千葉の素早い攻撃の切り替えに押された。津山は「相手のやりたい守備にはまってしまった」と反省点を挙げた。

 後半に入ると、キングスの思い切りの良い攻撃が点に結びつき、3Qだけで28―16。守備でアイラ・ブラウンのスチールやパスカットなどがチームを鼓舞する好プレーとなった。しかし、ターンオーバーなどで勢いを維持できず、ファウルゲームでも巻き返せなかった。

 主将の岸本隆一は3Qで追い上げた力は「収穫」としつつ、「いい攻撃で終わること」「総力あるチームに対し、こちらは人数をかけて守備し、攻撃から早く戻ることが重要」と課題の修正とリベンジを誓った。(嘉陽拓也)