キングス延長戦制す 千葉に68―60 Bリーグ第11戦


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キングス―千葉 第2Q ディフェンスをかわしシュートを放つ田代直希=29日、沖縄市体育館(内原優士撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは29日、沖縄市体育館で千葉ジェッツと第11戦を行い、延長戦の末、68―60で勝利し、第10戦の雪辱を果たした。これまで今季8勝と好調だった強豪・千葉を下し、キングスは今季の通算成績を7勝4敗とした。

 キングスは第1クオーター(Q)、千葉の激しい守備に対して外でボールをしっかり回し、ハッサン・マーティンの個人技などで点を奪うなど互角の戦いを演じた。第2Qは、ハードな守備で千葉のシュート決定率を抑えて一時は10点をリード。その後、盛り返され34―33と接戦のまま前半が終わった。

 第3Qに入ると、田代直希やアイラ・ブラウンらのルーズボールを果敢に取りにいく積極的なプレーがチームをもり立て、守備で相手を引き離し45―38で第4Qへ進んだ。最終第4Qは反撃に遭ったものの、一進一退の攻防を続け、58―58で延長へもつれた。

 この日、集中力とボールへの執着心が高かったキングスは、延長でも力強いリバウンドからしっかり攻撃につなげた。最後まで粘り強いプレーを見せ、延長戦の5分間を10―2と引き離し、勝利をたぐり寄せた。

 キングスは次戦、11月4日に宜野湾市立体育館で午後6時5分からレバンガ北海道と対戦する。
 (観客3633人)

キングス(7勝4敗)
68―60(18―15,16―18,11―5,13―20 延長10―2)
千葉(8勝3敗)

 【評】第1Qからキングスは、重圧ある激しい守備により相手のシュート決定率を抑え、試合は接戦に。リバウンドやルーズボールへの飛び込みでリズムを離さず数点のリードを保った。第4Qで同点に追い付かれたが、延長に入っても攻守で相手を上回る運動量を見せ、競り勝った。

◆気持ちで上回った

 佐々宜央HC(キングス)の話 延長を含め45分間守備で戦い切り、双方が疲れている時間帯でも気持ちで相手を上回っていた。田代直希は難しいポジションに対応してくれて感謝している。こういう状況で戦い続けられるチームにしたい。

◆いい采配できず

 大野篤史HC(千葉)の話 守備は良かったが、攻撃でノーマークのシュートが決まらなかった。シュートコントロールは水もの。最後のタイムアウトで自分がいい采配をできなかったのが敗因だ。

◆田代躍動 勝利に貢献

 延長戦を含めた45分間、全選手が集中力を途切れさせず、泥臭く勝利を求める姿勢が千葉へのリベンジにつながった。27日の試合後「試合に臨む姿勢が欠けている」と苦言を呈した佐々宜央HCだが、この日の勝利後は選手らのハッスルプレーを高く評価し「今日の試合がたまたまじゃないということを見せたい」と気を引き締めた。

 キングスは第1Qから激しい守備だけでなく、攻撃への切り替えの速い千葉に対して素早く自陣に戻って相手の好機をつぶした。27日に第1Qで引き離された反省を生かした守備で、千葉のシュート決定率を3割程度に抑え続けた。

 さらに「感覚が良かった」という田代直希がルーズボールだけでなく、大事な場面で千葉の外国人ビッグマンに競り負けないリバウンドで会場を沸かせた。

 第4Qで追い付かれ今季初の延長戦に入るも、岸本隆一が個人技でファウルも誘い4点。守備では、1対1の場面でハッサン・マーティンが転び万事休すの場面をアイラ・ブラウンがパスカットで救う。ハッサンもオフェンスリバウンドで点を奪うなど、双方に攻守で疲労が蓄積する中で、全員でボールへ向かう姿勢を示し、集中力で千葉を上回った。

 雪辱を期した岸本は「攻守で相手より気持ちが強かった。これをどれだけ続けるかだ」と、チームの底力に手応えを感じる。勝利をけん引した田代は「コートで流れが変えられるようになりたい」と力強く語った。(嘉陽拓也)