対中輸出拡大へ検疫短縮要請 沖縄県、福建省に要請へ


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中国福建省訪問を発表する翁長雄志知事=31日、沖縄県庁

 沖縄県は31日までに、中国福建省への県産品輸出で検疫の長期化などの課題を巡り、検疫日数の短縮や原材料配合割合の提示要件緩和など4項目について協力を依頼する知事名の文書を福建省の于偉国省長(知事)宛に送った。翁長雄志知事は11月9日から福建省を訪問し関係者に協力を求める。

 協力依頼文は10月16日付。内容は(1)検疫期間の短縮(2)沖縄―福建省ルートの貿易迅速化(3)原材料配合割合の提示要件緩和(4)ラベル作成の問い合わせ窓口の設置―の4項目。

 沖縄県は2016年末に福建省と経済連携の覚書(MOU)を締結し、17年1月と3月に県産品の福建省への輸出実験をした。輸出実績がない場合、70日を要するなど長期化が課題に挙がった。商品ラベルづくりは産業振興公社で取り組みを始めており、福建省側の窓口探しが焦点となっている。検疫について県側は特区を活用できないか模索している。これらの課題に対して于省長に協力を依頼した。

 31日に県庁を訪れた何振良・駐福岡中国総領事に対しても翁長知事は「昨年、福建省とMOUを結んで、関税の問題などで実験も進んでいる。今回、于省長に書簡も出して、問題をぜひ解決してもらって迅速に物事が進むようにとお願いしてある。ぜひ総領事からも一言(お願いする)」と述べた。何総領事は「領事館からもいろいろバックアップしたい」と応じた。