青果アジア出荷拡大へ戦略室 JAおきなわ「品質で勝負」


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輸出戦略室の看板を設置するJAおきなわの大城勉理事長(右)ら=1日、沖縄県浦添市

 JAおきなわ(沖縄県那覇市)は1日、海外輸出強化に向けた専門部署として「輸出戦略室」を設置した。那覇空港を拠点とした沖縄県の沖縄国際物流ハブ事業を活用し、農産物の輸出に取り組む。経済拡大に伴って購買力の高い富裕層が増えているアジアを中心に、メード・イン・ジャパンの品質をアピールしていく。2018年度の輸出販売目標を1億円に設定している。

 輸出戦略室は当初は3人体制で開始する。販売先としてシンガポール、香港、台湾を想定している。室長に就任した浜門由昇氏は「沖縄の特徴ある青果を品質で勝負する。アジアの健康志向に訴え、農産物市場を海外に広げていく」と意気込んだ。

 JAおきなわでは昨年10月に海外輸出プロジェクトチーム(PT)を設置し、輸出の効果や課題などを検証していた。PTで県産野菜など11品目を実証的に出荷・販売したところ、カボチャ、ホウレンソウやミニトマトなどが特に売れる品目として有望視された。

 加工品のゼリーなどは周年で取り扱いたいとの要望があったほか、台湾で珍重される黒糖、アジアで需要が高い卵、紅イモなども輸出を見込んでいる。

 大城理事長は「急激に経済成長するアジアへ輸出を強化し、農家所得の向上に取り組む」と話した。

 那覇空港の全日空(ANA)の国際貨物便を使うことで、県内から午前に出荷した野菜が、翌日の午前中にはシンガポールの百貨店に配達されるなど、鮮度を保持した輸送に取り組む。