日本製品、沖縄を経由 台湾・馬祖島に免税店 あんしんが輸送参画


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 台湾の大手オンライン旅行会社、易飛網国際旅行社(Ezfly、台北市)が10月27日、中国大陸に近い台湾の離島・馬祖島に、日本製商品を中心に取り扱う免税店を開業した。総合物流業のあんしん(浦添市、安里享英社長)が製品輸送に参画しており、日本各地で調達した商品を、沖縄を経由して台湾へ輸出する船舶のハブ物流モデルを採用している。

 馬祖島は中国・福州市から船で最短30分の距離にあり、中国大陸から年間24万人、台湾本土から年間180万人の観光客が訪れている。関税や消費税がかからない免税特区に指定されており、Ezflyは台湾初の日本商品を中心にした免税店を開設することで「日本を訪れなくても日本製品が安く購入できる」と中国や台湾からのさらなる観光誘客を図る。

 オンラインショップで事前に商品を注文し、馬祖を旅行した帰りに空港や港で商品を受け取る。取扱商品は生活用品や菓子類などで、子会社のTTBジャパンが日本国内で調達し、沖縄経由で台湾に船舶輸送する。免税店の開業に合わせ、あんしんは9月20日に那覇港から20フィートコンテナ1台分を輸出した。

 あんしんは、台湾大手の総合物流会社「華岡集団(ワゴングループ)」(台北市)と2015年から戦略的パートナーシップを結んでいる。TTBジャパンが調達した日本製商品を沖縄に集約する国内物流と、那覇港から台湾への通関業務をあんしんが担い、沖縄から台湾本土を経由して馬祖まで商品を届ける台湾での輸送をワゴングループにつなぐ形で連携する。

 あんしん経営企画室の友知靖博室長は「日本を代表するナショナルブランドの取り扱いが中心だが、この物流に県産品も乗せていけるといい。馬祖の先にある中国大陸まで見据えていきたい」と述べた。