「人生好きに生きる」 脳性まひの友利さん著書出版 1人暮らしの日常紹介


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自著を手に笑顔を見せる友利敏幸さん=10月、那覇市障がい者福祉センター

 生まれつき脳性まひで障がいがある友利敏幸さん(48)=那覇市=が、日々の何気ない出来事や外出先で感じたことなどをつづっているブログが1冊の本になった。友利さんの初めての著書「黄色の点滅、知らなかった僕」がこのほど、沖縄自分史センターから出版された。友利さんが撮影した写真も盛り込んだ大作。友利さんは「これからもいろいろなことに挑戦していきたい」と語った。

 宮古島出身の友利さんは7歳から養護施設などで生活し、35歳で1人暮らしを決断した。自分史には生い立ちから自立生活まで、偽らない日常が盛り込まれている。10月1日には、出版を記念して友利さんの有志が那覇市障がい者福祉センターで祝賀会を開いた。会には友利さんと人生を歩んできた友人や仲間、ヘルパー、作業療法士、友利さんを幼少期から知る人など多くの人が参加し、祝福した。

 沖縄自分史センターの宜寿次政江さんが「出版過程で断念する人が多い中、最後まで心が折れなかったのはなぜ」と問い掛けると、友利さんは「応援してくれる人や支えてくれる友だちがいたから」と笑顔で「秘話」を語った。15年来の友人の平田聖人さんは「若い世代や、これから福祉に関わろうと思っている人に読んでもらいたい本」と祝福した。

 自分史の最後には「これからも僕は、人生好きに生きるさ!」との言葉をつづっている。気の向くままに電動車いすを走らせ、カメラのシャッターを切る友利さんは、今日もブログを更新する。友利さんの挑戦はまだまだ続く。本に関する問い合わせは、沖縄自分史センター(電話)098(833)3636。(中川廣江通信員)